2011年 10月 30日
今年の6月以来、白雨館ゼミは、東日本大震災復興計画ワークショップに忙殺され、開く時間が取れませんでしたが、秋になり、やっと夏以降から学生デザインワークショップ「震災スタジオ2011」として取り組んできた各チームの宮城県南三陸町への復興支援提案計画が完成しましたので、それらの内容について院生たちが発表し、佐々木先生より各チーム案への批評をいただきました。今回は歌津地区と戸倉地区について報告します。
(下図)南三陸町歌津地区漁村の高台避難住宅と集落復興計画案(歌津チーム案)
南三陸町・歌津地区田ノ浦漁港復興計画の提案図面。海の見える高台住宅は森の中に。津波で塩害被災を受けた谷戸の農地は向日葵畑によって塩分除去し、将来は都会からの観光客が楽しく農・漁業体験ができる「滞留型観光拠点」への転換が提案されています。
(下図)戸倉地区復興計画案
谷戸地形による谷筋が深く、海が見えない集落にも津波が押し寄せ集落が壊滅、多くの人材を失った戸倉地区では、海の見える高台住宅地計画と有名な黄金菊栽培地+農地復興が目的とされ、山からの支流河川水を利用した農地の長期塩害浄化計画が提案されています。
(下図)戸倉地区海の見える高台住宅地計画
谷戸に囲まれた戸倉地区の農村が、海が見えなかったために津波の来襲に気付かず、逃げ遅れて壊滅、多くの被害者を出したことから、南三陸町戸倉地区の高台住宅計画を提案した図面です。ここでは、海の見える展望台を持つ住宅として『ゼロ・ロットライン配置』が生かされ、尾根の道路から視線の抜けが確保されています。
特に、戸倉地区高台住宅計画に応用された、ゼロロットライン配置の海外事例を参考に詳しく説明いただいたのはエコロジーのデザイン思想でした。エコロジーのデザイン思想は、白雨館ゼミで何度も取り上げられているとても重要なテーマです。
今回は、特に米国カリフォルニアのシーランチのゼロロットライン計画内容について、この配置計画がいかに生態系を守り、人と自然風景とを繋ぐ仕組みであるか、美しい写真と共に改めて感じることが出来ました。
上記はハルプリン設計によるシー・ランチのゼロ・ロットライン配置のリゾート住宅群。
敷地境界配置(ゼロロットライン)により、公、私的オープンスペースの連続性を確保。
道路は、クルド・サック(行き止まり道路)による背後森林の保全が確保されている。
このように、ゼロ・ロットライン配置とは、各住棟を敷地境界に建てることによって住棟間オープンスペースが繋がる住棟配置方法です。この配置では、庭を柵で囲うことがなくなるため、シカやウサギなど野生動物が自由に移動でき、生物生態系の行動範囲を制限しない。このため、下記写真のように、プールもフェンスを持たず、アースワークの丘の中に建築されています。ここでは、住み手に取って野生の原野がすべて柵のない自分たちの庭となっています。


シーランチの別荘から見た柵のない庭。
自然生態系を生かした広大な海岸風景が見渡せます。
今回のゼミでは、さらに第二に、ミクロな視点からの「色彩・かたち・テクスチャーの時間的変容」とマクロな視点からの「四季の変容による場所の表現」がエコロジーのデザインにおいて重要であるということが講義され、第三に、 エコロジーのかたちを表現する「プロセスとしてのランドスケープ」では、「自然が顕在化していくプロセスを見せる」ということをエムシャーパーク等を事例に説明いただきました。

また、河合先生がこの夏に行かれた、ラ・ヴィレット公園とシトロエン公園等についてスライドショーをしていただきました。実際に行かれて感じられたことは、図面だけでは分からない とても重要なことばかりでした。
(報告:TA/馬河)

(下図)南三陸町歌津地区漁村の高台避難住宅と集落復興計画案(歌津チーム案)

(下図)戸倉地区復興計画案

(下図)戸倉地区海の見える高台住宅地計画

特に、戸倉地区高台住宅計画に応用された、ゼロロットライン配置の海外事例を参考に詳しく説明いただいたのはエコロジーのデザイン思想でした。エコロジーのデザイン思想は、白雨館ゼミで何度も取り上げられているとても重要なテーマです。
今回は、特に米国カリフォルニアのシーランチのゼロロットライン計画内容について、この配置計画がいかに生態系を守り、人と自然風景とを繋ぐ仕組みであるか、美しい写真と共に改めて感じることが出来ました。

敷地境界配置(ゼロロットライン)により、公、私的オープンスペースの連続性を確保。
道路は、クルド・サック(行き止まり道路)による背後森林の保全が確保されている。
このように、ゼロ・ロットライン配置とは、各住棟を敷地境界に建てることによって住棟間オープンスペースが繋がる住棟配置方法です。この配置では、庭を柵で囲うことがなくなるため、シカやウサギなど野生動物が自由に移動でき、生物生態系の行動範囲を制限しない。このため、下記写真のように、プールもフェンスを持たず、アースワークの丘の中に建築されています。ここでは、住み手に取って野生の原野がすべて柵のない自分たちの庭となっています。


自然生態系を生かした広大な海岸風景が見渡せます。
今回のゼミでは、さらに第二に、ミクロな視点からの「色彩・かたち・テクスチャーの時間的変容」とマクロな視点からの「四季の変容による場所の表現」がエコロジーのデザインにおいて重要であるということが講義され、第三に、 エコロジーのかたちを表現する「プロセスとしてのランドスケープ」では、「自然が顕在化していくプロセスを見せる」ということをエムシャーパーク等を事例に説明いただきました。

(報告:TA/馬河)
















